ずんだは餅より団子が美味い

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「盲目的な恋と友情」と百合の話

辻村深月「盲目的な恋と友情」を読んだ。
 
前半は盲目的な恋の話(女→男)、後半は盲目的な友情の話(女→女)。
 
前半の主人公である蘭花も後半の留利絵も、嫉妬や執着心に振り回されていてひどくみっともない。このふたりのみっともなさが極限まで高まったところでこの物語は終幕を迎える。
 
身近な人に対する嫉妬や執着って誰しも味わったことがあるものだろうと思う。それでいてみんなそれをうまく隠して生きている。
 
こういう「みっともなさ」を味わってこっそりと共感するっていうのがこの本の読み方なのかもな、とちょっと思った。

 

盲目的な恋と友情 (新潮文庫)

盲目的な恋と友情 (新潮文庫)

 

 

 
「盲目的な友情」に仄かな百合みを感じたので、以降はその話。
 
恋人と違って友人という関係は、相手にとって自分が一番の存在であるという保証がどこにもない。
いくらお互いに親友だと公言しあっていたとしても、相手にはもっと大事な友だちが存在しているのかもしれない。
 
大切な友人との会話の中で、ふと相手に自分よりも優先順位が高い存在がいると察した瞬間。
そんなときに抱く感情。
 
それを感じたくて私は百合作品を求めるのかも? と、この本を読んでいて思った。